レジリエンスの技術1・悪循環から抜け出す【こころの休憩室 vol.19】

みなさん、こんにちは。
働く皆さまの心の健康をサポートするえがおパートナーズです。

コロナウイルス感染第2波とも思える悪しき状況に身を置き、心の平静を保つのが容易ではありませんが、そのような中でも気持ちだけは少しでも前向きにもちたいものです。

本日は、セルフケア「自分でできる心と身体のメンテナンス」より、様々なストレスに遭遇した時に、困難な状況に耐え、素早く回復する力を意味する、「レジリエンス」(逆境回復力)の第1の技術である、「ネガティブな感情の悪循環から抜け出す技術」をご紹介します。

前回6月号で、【第1の技術】について、下記の様にお伝えしました。

私たちは、失敗やトラブルあって不快な体験をすると、
再び不快な体験が起こらないように、積極的な行動を避けるようになります。
それを防ぐためには、心の中にネガティブな感情が生まれたら、
今、自分はネガティブな感情に支配されているなと「認知」し、すぐに「気晴らし」の方法をとることです。

レジリエンス(逆境回復力)・折れない心【こころの休憩室 vol.17】

それでは、第1の技術の詳細を確認していきましょう。

1. 目に見えない感情を「見える化」しましょう

私たちは、うまくいかないことがあると、「もう、ダメだ。」、「やっぱり、できないかもしれない。」など、ネガティブな感情が生まれてきます。
それは、心が健全な証拠で、ネガティブな感情そのものが悪いわけではありません。
問題は、ネガティブ感情を「繰り返す」ことにあります。

例えば、会社で何かあったときに、食事をしていても、テレビを観てくつろいでいても、ネガティブな感情が頭から離れない時間が長くなると、ネガティブ感情に支配され、様々な行動にもマイナスな影響を与えてしまいます。
楽しいはずの懇親会も、旅も、リラックスしたい休日も、心から楽しむことができなくなります。

そこで、ネガティブな感情を自覚したら、一刻も早く、抜け出すことが大事です。
そのための第一歩として、ネガティブな感情にラベリングをして、ネガティブ感情を「見える化」します。

例えば、私たちは身体の不調を感じたときに病院に行きます。
そこで信頼のおける医師から、的確な診断を受け、なぜそういう症状が出ているのか、何という病名ですと知らされると、特に治療を受けなくても、それだけで身体の調子が整ったような気になることがあります。

ネガティブな感情は、実体が見えないとイライラや憂うつが続きます。
そこで、ラベリングすることによって正体が明らかになると、主導権が自分に移ったような力強さを得る事ができます。
また、正体が明らかになれば、問題となる対象を、対処可能なレベルまでセグメントすることにより、問題解決が容易になります。

例「しばらく腹痛がとれない。何か大変な病気なんじゃないか。」
   ▼
「不安」(というラベルが貼られた)
   ▼
対処「すぐに、病院に行って、診てもらおう。」
   ▼
結果「先生から、診断名を告げられて、安心した。今後は早く治るように、アドバイスしてもらった生活習慣に気をつけて過ごそう。」

  • ラベリングの例
    • 自分のせいでチームに迷惑をかける → 「罪悪感」
    • 納期が迫っている → 「焦り」
    • また、部長に怒られる → 「恐れ」
    • 飼っていたペットが死んでしまった → 「悲しみ」  など

2. 運動や音楽で気分転換をし、感情のリセットを行いましょう

次に「気晴らし」をします。ネガティブな感情はしつこく、頭で考えるだけでは気持ちの切替えができないので、別のことで注意をそらします。
科学的に根拠のある「気晴らし」の4つの方法があります。自分に合った方法を試してください。

  1. 「運動系」の気晴らし
    ジョギング、水泳、ダンスなど、身体を一定のリズムで動かす有酸素運動をします。
    ジョギングには自信を深める。水泳には穏やかな気持ちになる。ダンスには創造性を刺激するといった心理的効果もあります。
    仕事中にイライラしたら、外に出て「早足で散歩」をするだけで気分転換できます。
  2. 「音楽系」の気晴らし
    好きな音楽に没頭すると脳から快感ホルモンのドーパミンが分泌されて、高揚感が高まり脳にポジティブな刺激を与えます。
    聴くのはもちろん演奏するのもお勧めです。
    ただし、ハードロックやパンクなどの激しい音楽は、怒りホルモンのアドレナリンが分泌されることもあるので注意しましょう。
  3. 「呼吸系」の気晴らし
    感情がネガティブになると、人は呼吸が浅くなります。そこで、鼻から長く深くゆっくりと息を吸って吐くことを意識して心を落ち着かせましょう。
    呼吸を整えると癒しホルモンのセロトニンが分泌されます。ヨガや座禅で心が穏やかになるのはそのためです。
  4. 「筆記系」の気晴らし
    日記や手紙など、自分の感情や考えを文字にして表現することは、ネガティブ感情を外に出してクールダウンさせる効果があります。
    日記や手紙を書くのが好きな人にお勧めの方法です。

レジリエンスを鍛える第1の技術はいかかでしたでしょうか。

  • ネガティブな感情を「見える化」(個別具体化)して問題解決までのセグメントを行う。
  • 運動、音楽、呼吸、筆記など「感情のリセット」をタイムリーに行う。

次回10月までに、ぜひ、試してみてはいかがでしょうか。
次回は、【第2の技術】 役に立たない「思い込み」を手なずける技術をご紹介します。

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