レジリエンス第7の技術・過去の痛い経験から意味を学ぶ【こころの休憩室 Vol.31】

みなさん、こんにちは。
働く皆さまの心と身体の健康をサポートする「えがおパートナーズ」です。

コロナ第5波だけではなく、熱中症も心配な猛暑ですが、
皆様にはお変わりなくお過ごしでしょうか。

コロナ禍の中で開催されたオリンピックも終了しましたが、
皆様はオリンピックの結果にどのような感想をもたれましたでしょうか。

私が最も感動したのは、卓球混合ダブルスの試合で、
水谷選手と伊藤選手がドイツとの準々決勝を勝ち抜いたことでした。

準々決勝ではフランツィスカ/P.ソルヤのドイツペアに対して、
最終ゲーム2-9というまさしく絶体絶命のピンチまで追い詰められたものの、
そこから驚異的な追い上げを見せて歴史的な逆転勝利をあげました。
このセットを落とせば、敗退となる場面で
7点の得点差をひっくり返し、逆転しました。

私も中学時代に卓球部に所属していたのでわかりますが、
マッチポイントまで後2点しかない状況で、7点ものリードをひっくり返すのは、
技術的なこともさることながら、
逆境におかれても動じない、絶対に負けないという
不屈の信念と精神力があったからこそ成し遂げられた偉業と言えます。

本日は、大きなストレスに遭遇したときに、困難な状況に耐え、素早く回復する力を意味する、
「レジリエンス」(逆境回復力)の第7の技術である
「過去の痛い経験から意味を学ぶ」技術(最終回)について学んでまいります。

1. 逆境を乗り越えてこそ成長がある

人は順風満帆に生きて、目の前のことを無難にこなしているときは、
さほど大きな成長を得る事はできないものです。
これまでに経験したことがないような逆境に直面したとき、
思いもよらない力を発揮して、飛躍的に成長することがあります。

今回のオリンピックでは、
人は逆境において、どれだけでも踏ん張ることができるのだと教えてもらいました。

水泳の池江選手は、2019年2月に白血病を宣告されて入院治療を強いられました。
その後、短い期間でオリンピアンにまで返り咲いた逆境回復力は目を見張るものがありました。

スポーツ選手が、一度、舞台から遠ざかったことでの
身体機能の低下、精神的なダメージの大きさは私たちの想像をはるかに超えるものだったと思います。

池江選手はそれほどの逆境を乗り越えて素晴らしい成果、レジリエンスを見せてくれました。

池江選手も、「過去の痛い経験から、意味を学ぶ技術」を取り入れて、
自己成長を促し、次につながる思いや行動を選択されたのかもしれません。

では、自分たちの日常の仕事に置き換えてみましょう。

例えば、仕事で大きなミスをしたとします。
そのようなときは、かなり落ち込んで、すぐに気持ちを切り替えられなかったり、
なかなか立ち上がれなかったりすることがあります。

ですが、たとえ失敗したとしても、
なぜ失敗を防げなかったのかとその原因を探ることで、
今後同じ失敗を繰り返さないように対処できるようになります。
人間関係の痛い経験であれば、今後どのような人と付き合うべきかが見えてくるでしょう。

ただし、この作業をするのは必ず、「逆境を乗り越えた後」です。
立ち直っている途中ですと、ネガティブな気持ちも思い出して逆効果になる場合もあるからです。

例えば、新しいプロジェクトが進んでいる最中に、
今まで信用して頼っていた人に裏切られたとします。

プロジェクトの進行中になぜ裏切られたのだろうかと考えてしまうと、
そこでとどまってしまい前に進むことができなくなります。

ですから、失敗した体験を振り返るのは、
プロジェクトが終わって一段落してからするのが望ましいのです。

それでは、次の項目では自分を振り返り、今後の新たな行動化につなげるための、
逆境グラフを書いてみましょう。

2. 逆境グラフを書いて「経験」の意味を知ろう

過去の逆境経験から意味を学ぶためには、
その体験を「見える化」する、「逆境グラフ」を描くことをお勧めします。

人生の浮き沈みをグラフにし、
そのときの状況や気持ちを客観的に分析します。

グラフには、縦軸に心理状態の浮き沈み、
横軸を時間軸に設定し、過去から現在までの逆境体験を描きます。

何がきっかけでそれが起こり、どのような気持ちになり、何がきっかけで好転したのか。

一歩、離れて「鳥の目」になって高い位置から俯瞰してみましょう。
そして、次の3つについて考えます。

逆境グラフ(参考)
  1. 「これらの経験から何を学んだのか。」
  2. 「これらの経験はその後にどんな意味をもっていたのか。」
  3. 「共通するものや大きな流れが見えるか。」

ただ、つらい体験から教訓を引き出すのはひとりでは限界があるので、
信頼出来る人から質問される形で振り返るのが効果的です。

「そのつらい体験をして、その後の仕事は変わりましたか。」

などと質問される中で、眠っていた記憶がよみがえり、
忘れていた大切なことを思い出すことがあります。

毎日多忙な人こそ、ときおり立ち止まり過去を振り返ってみましょう。

全7回に渡って、レジリエンスの7つの技術をお伝えしました。
皆様、第1の技術から第7の技術まで一通り、やってみていかがでしたでしょうか。

レジリエンスを鍛えるためには、これらの技術を習慣化して、継続して行うことが大事です。

何かの目標を達成したいとき、自分の願いを叶えたいことは、そう簡単ではないかもしれません。
ですが、あきらめずに自分自身のレジリエンスを信じて、ぜひ頑張ってください。

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