年末年始はほどよく休む【こころの休憩室 vol.47】

こんにちは。
皆様の心身の健康をサポートする「えがおパートナーズ」です。

年の瀬が押し迫って参りました。

新型コロナウイルス感染症の第8波や
インフルエンザの流行が心配される一方で、
年末年始のイベントを再開する知らせも多く耳にします。
反対に、お休み中はゆっくり過ごされる方もいらっしゃるでしょうか。

羽の伸ばし方はさまざまですが、急激な変化は
心身に思わぬ影響を及ぼすかもしれません。

今回は「自律神経」について、その働きと、
生活習慣の変化が及ぼす影響についてお知らせします。

自分の意志でコントロールできない「自律神経」

自律神経は、さまざまな臓器と繋がって、
生きるために必要な呼吸や心臓の動きなどを調節する神経です。

意識しなくても24時間働き続けるので「自律」神経と呼ばれます。

車がアクセルとブレーキで速度を調節するのと同じように、

自律神経も、交感神経と副交感神経という
2つの神経で体の機能を調節します。

2つの神経それぞれの働きは次の通りです。

  • 交感神経
    • 主に昼間、緊張したときや危機的状況で働きます。
    • 血圧を上昇させ、気道を広げて呼吸をしやすくし、
      筋肉に力を入れやすくします。
    • 食べ物を消化するといった、
      今すぐ必要ではない機能は鈍ります。
  • 副交感神経
    • 主に夜間や、日常的な、リラックスできる状況下で働きます。
    • 血圧を下げ、消化管を刺激して食べ物を消化し、
      体を回復させます。

自律神経が「乱れる」とは?

自律神経の働きを直接コントロールすることはできません。
「心臓を止めよう!」と念じて、
本当に心臓の動きが止まってしまっては大変ですからね。

しかし、心身に不調があるとき
「自律神経が乱れている」と表現することがあります。
コントロールできない自律神経が、
どんなきっかけで乱れてしまうのでしょうか?

「自律神経が乱れる」とは、
交感神経と副交感神経がバランスよく働いていない状態をいいます。

ストレスを感じたり、
寝床にいてもスマートフォンを見続けるなど夜更かししたりすると、
交感神経が働く時間が長くなります。

緊張状態が続くので精神的にも身体的にも疲労し、
回復が追い付かない状態になるのです。

反対に一日中動かずにいると、副交感神経が優位な状態が続きます。

休息といえば聞こえはいいですが、
休んだ状態から行動に移ることが難しくなってしまうのです。
ため込んだエネルギーの使いどころもなくなります。

こうして自律神経の働きに偏りが生じると、
さまざまな身体的不調を引き起こします。
めまいや倦怠感、肩こり、体の痛み、胃腸の具合が悪い等です。

不快な症状自体が更なるストレスとなり、
より具合が悪くなる悪循環を引き起こしがちでもあります。

自律神経失調症

特に異常はないのに身体的な不調があって、
自律神経の働き自体が原因と考えられるとき、
「自律神経失調症」という病名が使われることがあります。

精神的・身体的に「特に異常はない」点が実は重要です。

例えば貧血でも、自律神経失調症と似た症状
(倦怠感やめまいなど)があらわれることがあります。

健康診断の結果を見直したり、病院を受診したりして、
他の原因がないか確かめましょう。

最初の目標は「今のリズムを乱さない」

適度な運動、栄養バランスのとれた食事、十分な睡眠……
規則正しい生活をしてストレスをほどよく遠ざけることで、
自律神経のバランスを整えることができます。

とはいえ「健康になりたい」という意識があったとしても、
生活習慣を変えること自体がストレスになり得ます。
かえって自律神経の働きを乱してしまうかもしれません。

自分の状態を確認する意味でも、
今のリズムを乱しすぎないことを最初の目標にしましょう。

年末年始のような時期も、
起床・就寝時間をずらさないようにし、
一日中横にならないようにします。

通勤の代わりに散歩をする、
掃除などの家事を念入りに行うなどして、
普段の運動に代えてみます。

その方が、年明け以降の生活に戻るのも楽になることでしょう。

まとめ

  • 自律神経は、交感神経と副交感神経からなり、
    意識しなくても体の機能を調節してくれます。
  • 生活習慣やストレスの影響で自律神経が乱れると、
    体の痛みなどがあらわれることがあります。
  • 年末年始も普段の生活を意識し、
    自律神経を乱さないようにしましょう。

現代は昼夜の区別なく活動することができ、さまざまなストレス要因のある、
自律神経が乱れやすい環境です。
そんななかで、思い切って気分転換したくなるのは無理もないことです。

しかし、それがかえって不調を引き起こす原因になることもあります。
疲れや不調を来年まで持ち越さないよう、上手にリフレッシュなさってください。


  • 参考文献
    • 石浦章一『運動・からだ図解 脳・神経のしくみ』マイナビ出版, 2016年
    • 小林弘幸『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』日本文芸社, 2020年

2022年12月
文責: 林

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