師走に備える! 余裕の作り方【こころの休憩室 vol.57】

こんにちは。
皆さんの心身の健康をサポートする
「えがおパートナーズ」です。

あっという間に冷え込み、
秋を飛び越してしまったようです。
気が早いかもしれませんが
「師が走るほど忙しい」といわれる
12月も間近に感じますね。

多忙な中で心と体を健康に保つ方法は
「余裕」を持つことです。
具体的にはどうすればよいのでしょうか?
それについて少し考えてみましょう。

今回のテーマ:余裕をもつ秘訣

  • 余裕のない時こそ、トラブルに備えるための時間を確保する
    • 「空の手術室」に学ぶ余裕の重要性
  • 休憩から仕事へスムーズに切り替える方法
    • 中途半端なタイミングで休憩
    • 次の行動を決めてから休む
    • 避けたいものは常に目につく場所に置く

余裕のない時こそ、時間を確保

「忙しすぎて余裕を持つ時間なんてない!」
と思う方も多いでしょう。
ですが、余裕を持つための時間を意識的に作り出すことで、
逆に効率的に作業を進めることができるのです。

「空の手術室」の重要性

アメリカのある病院での事例をご紹介します。
そこでは、手術室が常に予約でいっぱい
という問題が発生していました。
急患が入った際の対応が難しく、
スタッフは待ち時間の対応や時間外の業務に追われる毎日でした。

この問題の解決策は驚くべきものでした。
手術室やスタッフを増やすのではなく、
あえて1つの手術室を「空き」のままにしておき、
急患の際だけ利用したのです。

手術スケジュールの調整はずっとスムーズになり、
スタッフの負担も激減したといいます。

仕事における「余裕」の意義

急なトラブルや問題は、どんな仕事場にも訪れます。
そうしたトラブルに備えて時間を確保しておくことで、
問題解決のスピードが上がります。

余裕を持たないと、かえってトラブル時に
余計な時間や手間がかかってしまいます。

休憩から仕事へ
スムーズに切り替える方法

休憩は大切です。しかし、休憩から仕事に戻る際の
「だらだら」を避けるための工夫も必要です。

中途半端なタイミングで休憩

中途半端な状態で作業を止めるのは、意外と効果的です。
例えば、メールで伝えたいことの整理がつかないとき、
下書き保存して画面を閉じてしまいましょう。
文章の途中でも構いません。むしろ半端であるほど効果的です。

切りの悪いところで作業を止めると、
違和感や未完成の感覚が残ります。
この感覚は心を刺激し、
新しいアイデアを生み出すきっかけになるのです。

さらに、違和感を解消するために、
作業を再開する動機づけにもなってくれます。

休む前に次の行動を決めておく

作業を止めるタイミングは
「完了したとき」と「行き詰まったとき」が一般的です。
これらは一見対照的に見えますが、
どちらも「できることは終わった」と感じます。

この「終わった」状態になると、
次に何をすべきか考えるのが面倒になったり、
新たなタスクを開始するハードルが高くなりがちです。

そこで、効果的なアプローチとして
「休憩後に○○をする」と先に決めておくことがおすすめです。
休憩から戻った際に何をすべきか明確になり、
再開のハードルが低くなります。

この方法は日常の小休止だけでなく、
日々の仕事の終わりにも役立ちます。
例えば、一日の業務が終わったときに、
次の日に取り組むタスクを事前にメモしておくことで、
翌日の作業を迷わずスムーズに開始することができます。

やりたくない仕事を片付けず、
見える場所に置く

それでも、どうしても気の乗らない仕事はあるものです。
そんなときのアプローチは、
「今すぐに取り組まなくても良い」という柔軟な考え方をもつこと。
それでいて、避けたい仕事を常に意識することです。
これらを両立させるために、
避けたい仕事を見える場所に置いておくようにしましょう。

こうすることでプレッシャーが生じるだけでなく、
モチベーションが生まれることもあります。
タスクを終わらせれば気の乗らない仕事を見ずに済み、
プレッシャーから解放されるという「ご褒美」ができるので、
取り組む動機付けが生まれやすくなります。

少しの工夫で日々の業務がよりスムーズに、
そして心にも体にも優しくなります。
ぜひ余裕を持つ習慣を日常に取り入れ、
多忙な12月を乗り越えてください。

2023年10月
文責: 大内・林


  • 参考文献
    • センディル・ムッライナタン, エルダー・シャフィール, 大田直子訳, 『いつも「時間がない」あなたに──欠乏の行動経済学』, 早川書房, 2017年
    • 大平信孝, 『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ』, かんき出版, 2021年

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