さまよいがちな心のコントロール方法【こころの休憩室 vol.53】

こんにちは。
働く皆様の心身の健康をサポートする、
えがおパートナーズです。

突然ですが、現在の状況やタスクに関係なく、
自分の内面の思考や想像にふけることってありませんか?

例えば、会議中に夢見心地になったり、
勉強中に旅行の計画をしたり、
運転中に昨日のできごとを反芻したりすることです。

これらのことは、集中力や生産性を
低下させると考えられがちですが、実はメリットもあります。
ということで、今回は
「マインド・ワンダリング」についてお伝えします。

「マインド・ワンダリング」は
日本語で「心ここにあらず」といった状態のことで、
特別な現象ではありません。
「ワンダリング」は「不思議」の wondering ではなく
「さまよう」の wandering、
つまりは「心が迷走する」という意味になります。

人間は一日6万回も考えごとをしており、
起きている時間のうち3割から5割は、
マインド・ワンダリングに費やされているそうです。

マインド・ワンダリングの利点:
よい解決法に辿り着ける

  • マインド・ワンダリングは、
    問題解決の「ひらめき」をもたらします。
    • あることの最中に、
      全く関係のない問題の解決策を思いつくのは、
      マインド・ワンダリングの効果といえます。
    • 悩みや行き詰まりを打開するために、
      散歩に出て心身両面をさまよわせる人もいます。
  • マインド・ワンダリングには退屈を紛らわし、
    精神的にリラックスする効果もあります。

忙しいときは特に、
問題に向き合っていない時間を
ムダだと感じてしまいがちです。
しかし、目の前の現実から離れ、一息ついたからこそ
見えるものもあるかもしれません。

マインド・ワンダリングの欠点:
ストレスを増幅させる

マインド・ワンダリング中は
注意力が散漫になります。
運転中の物思いは事故に繋がり危険です。
慣れた作業は退屈に感じがちですが、
マインド・ワンダリングしてはいけないときもあるのです。

また、マインド・ワンダリングで
ストレスを感じるできごとを思い返し、
そのときのネガティブな感情を振り返ることも、
悪い影響を及ぼします。

例えば「上司に叱られた」事実を思い返すだけなら、
同じ状況に陥ったときの対処や原因を
分析できるかもしれません。

しかし「あんなに怒鳴らなくてもいいじゃないか」
といった感情が湧き起こると、
現在の自分がネガティブな気分になってきます。

過去一度の経験を振り返るたびに、
自分を繰り返し動揺させて、
実際以上のストレスを抱えることになるのです。

危険やストレスに繋がる
マインド・ワンダリングを避ける

危険を招き、ストレスを増やす原因になるような
マインド・ワンダリングは避け、
今起きていることに集中するために、
一体何をすればいいのでしょうか。

思考がさまよい出すと
「余計なことを考えないようにしよう」と念じがちです。
しかし、これが中々うまくいかないことは、
皆さんも経験的にご存じかと思います。

何か他に考えることを用意した方が、
望まないマインド・ワンダリングを避けられます。

シンプルな対策は
五感で何を感じているかを意識することです。

今見えているもの、聞こえている音、触っているものについて、
それを知らない人に話すように説明してみてください。
これに気を取られている間は、
嫌なできごとについて思い巡らすこともなくなっています。

「今この瞬間」に目を向ける方法として、
よくマインドフルネス瞑想が紹介されますね。

マインドフルネス瞑想は、
「今この瞬間」に意識を向けることを目的に、瞑想を行う方法です。

代表例として、呼吸に集中するという瞑想があります。

絶えず働いている五感や呼吸に集中する習慣を作っておけば、
どんなときでも意識の方向性をコントロールできるようになります。

作業に集中できない場合は、
やっていることを声に出してみましょう

静かなオフィスの場合や気恥ずかしい場合は、
声自体は出さずに、口を動かすだけでも構いません。

あることを話しながら頭で別のことを考えるのは難しいため、
思考の迷走を止めることができます。

手を止める時間があるなら、
あえてマインド・ワンダリングに身を任せ、
一度考えていることを全部書き出してしまうのも有効です。
目に見える形で考えを見渡すと、
自分の心がどこをさまよっているかが分かります。

まとめ

  • 一日の半分近くを占める「心ここにあらず」の状態を
    マインド・ワンダリングといいます。
  • マインド・ワンダリングは退屈しのぎになり、
    新しいアイデアをもたらします。
    その半面、ネガティブな感情を反復しやすく、
    注意力散漫になります。
  • 望まないマインド・ワンダリングを避ける方法があります。
    • 自分の行動や、身の回りのものに注目するなど、
      他に考えることを用意するのが有効です。
    • 迷走する考えをすべて書き出し、
      思考の地図を作れば、迷えなくなります。

マインド・ワンダリングを防ぐ方法はどれも単純ですが、
習慣づけておくと「なんだか集中できない」と感じたとき
素早く対応できます。

一日数分でも構いませんので、
是非練習してみてください。

2023年6月
文責: 林


  • 参考文献
    • 「心理学ワールド 93号 脳を刺激する」さまよう思考を刺激する, https://psych.or.jp/publication/world093/pw06/, 日本心理学会、2023年6月14日閲覧
    • NHKスペシャル取材班,『キラーストレス 心と体をどう守るか』, NHK出版, 2016年
    • 對馬陽一郎, 林寧哲監修, 『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本』, 翔泳社, 2017年

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