春は心の揺らぐ季節【こころの休憩室】

カバー画像出典:写真AC

こんにちは。皆さんの心身の健康をサポートする「えがおパートナーズ」です。

3月も下旬となり、日差しに春らしさが感じられるようになってきましたね。
期待や希望を感じる一方、環境の変化を前にどこか落ち着かない気持ちになっていませんか。
春は「始まり」の季節であると同時に、心が揺れ動きやすい時期でもあるのです。

暖かくも不安定な春

厚生労働省が毎年3月を「自殺対策強化月間」と定めていることをご存じでしょうか。
実は、一年の中でも春先は気持ちが不安定になりやすいといわれています。
はっきりしたことは分かっていませんが、どうやらいくつかの要因が重なっているようです。

日本の春はストレスの季節

変化は時に大きなストレスになります。
慣れ親しんだものごとが変わってしまう場合はもちろん、
念願のひとり暮らしを始めるなど、嬉しい変化もストレスになってしまうことがあります。

日本では4月に年度が切り替わり、生活環境が大きく変わりがちです。
3月は4月に向けた準備をすることも多く、
「変わりたくない」という本音や「うまくやれるだろうか」という不安が
大きくなりやすいといえます。
気持ちが落ち着かなくなって当然の時期といえるのです。

世界的にも「木の芽どき」は注意

しかし、4月に年度が切り替わらない国々でも、
春は気持ちが不安定になる人が増えるといわれています。
南半球の季節は日本と逆になりますが、それでも似た傾向が見られるという報告もあります。
季節の変化が人の心に及ぼす影響は意外と小さくないのかもしれません。

自分の「電池残量」を測る

春の変化が世界的なものなら、避けようにも避けられません。
しかし避けられなくても、春は不安定になりやすいと分かっていれば、
無理せず自分をいたわる機会を作れます。

例えば、何かをするとき、自分の「電池残量」をこまめに確認してみるのはいかがでしょうか。
10が充電100%の状態、1が今にも電池切れしそうな状態として、中間は自由に設定してください。

  • 10: 一番余裕のある状態。しばらく充電しなくても大丈夫。
  • 5: 何事もないなら十分だけれど、トラブルが起きたら電池切れになるかもしれない。
  • 1: すぐに充電が必要な状態。

大切なのは点数が高いかどうかではなく、今の自分の状態を把握することです。

スマートフォンの電池残量が少ないのに動画を見続ければ、すぐに電池切れになってしまいます。
自分自身の心も同じです。
残量が減ったら無理をせず「省エネモード」で活動し、充電する時間を作るようにしましょう。

五感で落ち着きを取り戻す

分かっていても揺らぎを止められないこともあるでしょう。
強い不安や焦りといった感情は、こびりつくとなかなか離れないものです。

そんなときも落ち着きを取り戻す簡単な方法があります。
視覚・触覚・聴覚・嗅覚・味覚の五感で感じることを数えていく「5-4-3-2-1法」です。

5-4-3-2-1法は、マインドフルネスや瞑想と同じ「今、ここ」に集中する手法のひとつです。
五感で感じられるものに集中すると、頭の中で起きている堂々巡りからいったん離れられます。

5-4-3-2-1法の手順

  1. 見えるものを5つ数えてください。できる範囲で細かく観察しましょう。
    例:茶渋のついたマグカップ、凹凸がありわずかに茶色く見える部屋の壁紙、今は回っていない白いサーキュレーター、光沢のある深緑色をしたハンドクリームのチューブ
  2. 触れるものを4つ数えてください。触れるものの感触を確かめましょう。
    例:指を伸ばして触った上着の厚さ、細い髪の毛が束になっている感じ、足の指同士を擦り合わせたときの感触、手を洗ったときの水の冷たさ
  3. 聞こえる音を3つ数えてください。自分で音を出してもかまいません。
    例:小さく手を叩く音、外から聞こえる車のクラクション、空調のかすかな音
  4. 匂いや香りを2つ数えてください。においを探して窓を開けてみてもいいでしょう。
    例:車の排気ガス、午前中淹れたコーヒー
  5. 感じる味を1つ数えてください。最後に味わったものを思い出すだけでも大丈夫です。
    例:眠気覚ましのガムの味

見えるもの5つ、触れるもの4つ……という5-4-3-2-1法の数や順序は絶対ではないので、
好みや状況に合わせてアレンジしてください。
例えば、人の怒鳴り声が聞こえて不安なときに聴覚に集中したら、不安が増してしまいそうですよね。
そういうときは無理に聞こえるものを探さなくても大丈夫です。

自分の電池残量を確かめ、揺らぎを五感で安定させながら、
ゆっくり新しい季節に慣れていきましょう。
今回は不安定さを取り上げましたが、春は暖かく明るい季節でもあります。
日々の小さな芽吹きを見逃さないよう過ごしていきましょう。

2026年3月
文責:林


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