ハラスメント対策への取組みとして
昨年11月厚生労働省は、企業に対し、
パワハラ防止策に取り組むことを法律で義務づける
方針を固めました。
想定される具体的な措置としては、厚労省が発表していますので
下記をご参照下さい。(2018年11月19日掲載)
https://www.mhlw.go.jp/content/11909500/000405096.pdf
(第11回労働政策審議会雇用環境・均等分科会資料3)
昨今のパワハラ問題は、全国の労働局への相談数が
約7万2000件(2017年度)に達するなど
働く人の3人に1人が「過去3年間にパワハラを受けたことがある」と
答えた調査結果(厚労省)があります。
そもそも「パワハラ」はなぜ起きるのでしょうか?
まず、第一に想定できるのが
加害者側の「無知」や「無自覚」があります。
自分の行為がハラスメントに該当することに気付いていない人や
自分が育てられてきたのと同じように指導し、それが当たり前だと思っている人
が分かりやすい例です。
そして第二に想定できるのが、コミュニケーションの不足。
コミュニケーションとは、価値観、世代間、情報量などにより
感じ方、受けとめ方、理解の仕方が違ってきます。
例えば、仕事熱心・熱血指導と評価される人はどの様な人なのか、
イメージするタイプはそれぞれにギャップがある可能性があります。
これらパワハラを含む、ハラスメント防止策としては
【1】全従業員が、働きやすい職場環境づくりに
積極的に取り組む意識を高めていくこと。
例えば、加害者を見た時に、他の従業員が見て見ぬふりをするのではなく
報告する体制が整っている事や、
被害者(ハラスメントを受けたと感じている人)が
声を上げやすい環境や仕組みがあることではないかと思っています。
上司の怒声が飛んだりすることが日常で、誰もそれを問題視しない
のでは良い環境には変わっていきません。
【2】管理職への教育を行うこと。
どんなことがハラスメントに該当するのか、心がける事は何か、などの
知識を身につけることが予防に繋がります。そして管理職自らが
働きやすい職場環境づくりに率先して取り組む姿勢が重要です。
【3】コミュニケーションスキルの向上
実際パワハラに関する相談があった職場の特長は、
「上司と部下のコミュニケーションが少ない職場」が
最も多いという調査結果があります。
ただ単にコミュニケーションを取る(会話をする)のではなく
従業員一人一人がお互いの価値観や能力の違いを認め合える
信頼関係が築かれていることが大切です。
いかがでしたでしょうか?
企業側にとってみれば、
パワハラ、セクハラ、モラハラ、マタハラ・・・など様々な対策に
頭を抱えてしまうのも事実です。
しかし、訴訟などの重大なリスクに備える為だけではなく
これを機に、働きやすい職場環境づくりを考えてみてはいかがでしょうか。