1on1ミーティング【こころの休憩室 vol.12】
今回は双方向コミュニケーションの活用の場として、今注目されている「1on1ミーティング」についてお伝えします。
1.1on1ミーティングとは
最近「1on1ミーティング」を導入する企業が多くなってきているようです。
その走りであるYahoo! Japanの1on1ミーティングが有名で、本も出版されています。
「1on1ミーティング」を一言でいうと、上司と部下の1対1のミーティングのことです。
「それなら今でもやってるよ」といわれる方も多いと思いますが、人事(評価)面談や目標管理面談、業務連絡など、確かに1対1でのミーティングの場面はいろいろあります。
今回取り上げる「1on1ミーティング」の特長は、ミーティングの“主役は誰か”というところです。
「1on1ミーティング」の主役は、あくまでも部下にあり、部下のための時間であることが重要になります。
それと併せて開催頻度ですが、Yahoo japan!の場合は週に1回~隔週1回程度で実施しているようですが、まずスタートすることと、継続できるということが重要です。上司も部下も日常の業務が忙しく、時間を確保することもままならない場合は、月1回30分からでも十分に機能します。
通常のミーティングでは、上司が部下の失敗の方に注目したり、上司側の確認や指導、指示が多くなり部下も委縮しがちですが、「1on1ミーティング」では、指導や指示は極力避け、部下が安心して上司に話しができる場や雰囲気をつくることが大切になります。
そのような雰囲気の中では、部下は目先の日常業務から距離を置き、仕事を俯瞰することができ、頭が整理され、新しい気づきや発想が生まれやすくなります。
同じ会社の中でも、うまくいっている部署と、そうでない部署があることが多々ありますが、うまくいっている部署をみると、上司と部下のコミュニケーションが円滑に行われているケースが圧倒的に多いようです。
「1on1ミーティング」は、上司と部下のコミュニケーションを促進し、信頼関係を深めることが最大の目的となります。
2. 上司と部下はどのような話しをすればよいのか
「1on1ミーティング」では、まず最初にミーティングのテーマを上司と部下で共有することが大切になります。
そこで、「最近、うまくいったことある?」「最近、うれしかったことなにかある?」「最近、職場で気になっていることある?」「最近、うまくいってない(失敗した)ことなにかある?」「ボトルネックに感じていることある」などの質問で、部下から出た内容をテーマにしてもいいかもしれません。
できれば、失敗の話題よりうまくいった話題を先にするほうが、楽しい雰囲気から始められるので、その後の話もスムーズにいきそうです。
「1on1ミーティング」では、部下が「話を聞いてもらえる」=「尊重されている」と感じることがとても大切です。それが、部下の安心感や自信につながり、そうした安心感が部下の自由な発想やモチベーションにつながります。
業務の細かな進捗状況の確認などは別のミーティングなどを利用し、「1on1ミーティング」では、できるだけ部下の良いところに注目することが大切です。
そのためには、日常的に部下の良いところを意識して探しておくことが不可欠でしょう。
「1on1ミーティング」の終盤には、必ず次までに何に取り組むのか、そして、次はいつ話すのかを確認することが大切になります。
これが曖昧だと折角の「1on1ミーティング」がいつのまにか自然消滅してしまいます。
「次までにどんなことに取り組むか確認しようか?」「今日、話してみてどうだった?」「私ができるサポートはある?」「次回はいつしようか。10日はどう?」など、最後に両者で確認しあい終了しましょう。
2. 「1on1ミーティング」を成功させるポイント
「1on1ミーティング」がうまく機能すると、上司にも部下にもメリットがあります。
上司と部下のコミュニケーションにより意思疎通ができ、信頼関係も深まって、
その結果、部下は自分の職場に安心・安全を感じることができるようになり、そうなると自発的にものを考え行動できるようになります。
最後に「1on1ミーティング」が失敗に終わるケースと、そうならないためのポイントをあげておきます。
- 上司が話し過ぎる
⇒ 上司は確認、指示、指導、駄目だしに終始しない - 上司と部下の間で、特に共通テーマもなく雑談で終わる
⇒ 事前にテーマを設定する - 面倒くさがったり、やらされ感を持ちながら実施する
⇒ 上司も部下も、「1on1ミーティング」を有益な時間にする努力をする - 相手を尊重・感謝しない
⇒ 上司は「部下のための時間」だと部下を尊重し、
部下は「自分のために時間を取ってくれた」と上司に感謝の気持ちを持つ - フィードバックをしない
⇒ 部下と約束したことへのフィードバックや、
良かった点などのフィードバックを必ずする - 自分の考えを押し付けたり、相手の考えを受け入れない
⇒ いい、悪いなど、主観的に相手の言うことを評価せず、相手の考えも尊重する