コロナ禍は企業や働く人の意識をどう変える?【こころの休憩室 vol.18】
mattthewafflecatによるPixabayからの画像
新型コロナウィルス感染症の終息が見えない中、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
コロナ禍の真っただ中にあっても、私たちは生活も仕事も続けなければなりません。
日常生活でも、感染防止のために日常の行動の一つひとつに気を配らなければならなくなり、神経過敏になったり、周囲の視線が気になったり、その上に、目の前の生活不安や将来不安などが重なり、これまで以上のストレスを感じていることでしょう。
そこで、今回はWithコロナ、
Afterコロナについて考えてみたいと思います。
今回のコロナ禍の影響により、これまでにない大きな変化が起こりました。
- 対面 ⇒ 非対面
- 密 ⇒ 密の回避
- アナログ ⇒ デジタル
これまでの私たちは、対面での仕事が当たり前としてきましたが、感染予防の観点から非対面での仕事が半ば強制される形で実施され、一気に「テレワーク」(在宅勤務)という働き方を多くの企業が導入しました。
内閣府の調べでは、東京23区に限れば、テレワークを経験した人は55.5%に達し、多くは継続を希望する人が多いとのこと。
また、各種テレワークに関する調査結果から見えることは、テレワークでは多くのメリットがある半面、デメリットも意外に多いということです。
テレワークのメリットとして
テレワークのメリットとして一番多くあげられるのは、なんといっても通勤時間がなくなるということでしょう。
テレワークを始めて、これまで往復何時間も満員電車に乗る通勤は「大変だ」と改めて感じた人も多かったと思います。
その他多いのが、仕事中心でなかなか休日以外に家族と話す時間がなかったが、家族と一緒にいる時間が増え、家族との会話が増えて良かったという意見です。
(逆にそれがストレスと感じている人もいるようですが、それはさておき・・・)
- テレワークのメリット
- 生活面
- 仕事以外の時間がとれるようになった
- 家族との時間・会話が増えた
- 社員
- 通勤・移動時間がなくなった
- 無駄な会議がなくなった
- 自分のペースで仕事ができる
- 会社
- 経費の削減(通勤費、残業代、営業経費、家賃など)
- 採用の選択肢が広がった
- 生活面
テレワークのデメリットとして
テレワークによるデメリットも意外に多いことを実感された方も多いようです。
一番多いのは仕事上のコミュニケーションがとりづらくなったという意見です。
仕事の指示や進捗確認、情報共有などが思うようにできなくなった上に、同僚との何気ない雑談もなくなり、関係性の維持やストレス発散、新発想などできなくなったという意見が多いようです。
その他に多いのが、自宅の仕事の環境が整っていないため仕事の生産性が悪くなったという意見が多いようです。
例えば、椅子や机などの仕事のスペースがない、コピー機がない、自宅のパソコンが古い、モニター画面が小さい、通信環境が悪くOnline会議が途切れ途切れになるなど、意外と大きなストレスになっているようです。
また、管理職からすれば、部下の様子が見えないため、部下の体調や何気ないメンタル面の変化を把握しづらいなどもあり、上司は上司なりに部下のマネジメント面でストレスを感じているようです。
- テレワークのデメリット
- 生活面
- 常に家族がいて気が休まらない
- 3度の食事の支度が大変
- ストレスの発散場所がない
- 社員
- コミュニケーションがとりづらい
- 仕事する環境が良くない
- 必要な時に必要な資料や道具がない
- 公私の区別がつかなくなる
- 評価が不安
- 管理職
- 部下のコンディション、サインがつかめない
- 部下の仕事の様子が見えない
- 会社
- セキュリティが心配
- 仕事のノウハウが共有されづらい
- 社員同士の切磋琢磨ができない
- 帰属意識の低下
- 生活面
Withコロナ/Afterコロナでは・・・
このようにテレワークには良い面と悪い面の両方がありますが、やはりテレワークの導入は大手企業を中心に進むことになると思います。
理由としては、今現在はデメリットである部分も、今後のIT技術の進歩と多くの人がテレワークの経験を積み重ねる過程で解決可能になることばかりだからです。
もう一つ重要なことは、働く人がテレワークという働き方を望んでいるからです。
最近の調査(パーソル研究所調べ)では、デメリットを感じてはいるものの、これまでよりも幸福度が上がったと感じる人が42.5%、変わらない39.1%、下がった18.4%という調査結果が出ました。
今後の採用活動のなかでは、テレワークで働ける企業に人気がでる可能性が高いと思われます。
加えて、働き方のみならず、危機における事業継続の観点から、今後も繰り返される自然災害や感染などの危機へのリスク回避として、非対面業務でも業務を継続できる備えは避けられないかもしれません。
そうした観点もあり、政府主導でテレワーク導入を進めようという動きもあり、テレワークへの流れは止まらないでしょう。
テレワークの問題に限らず、コロナ禍による常識の変化(ニューノーマル)は、これまでの歴史を振り返ると、新たなニュービジネスや発明につながる大きなチャンスになります。
すでに、米国と中国を中心に有力なスタートアップ企業が続々と生まれているようです。
その点では、いつも日本は一歩もニ歩も遅れがちですが、
Withコロナ/Afterコロナで大切なのは、変化を恐れない私たちの強い意志と勇気なのかもしれません。
ダーウィンの有名な言葉を、私たちは今だからこそ心に留め置くべきではないでしょうか。
『最も強い者が生き残るのではなく、
チャールズ・ダーウィン
最も賢い者が生き延びるのでもない。
唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。』