楽に診察を受けるために、何ができる?【こころの休憩室 vol.45】

こんにちは。
働く皆さまの心と身体の健康をサポートする
「えがおパートナーズ」です。

私事ですが、9月末に風邪を引いてしまいました。
微熱と喉の痛み、咳があったので、新型コロナウイルス感染症では!? と大慌て。

抗原検査の結果は陰性でしたが、
普段病気などしていなかったので、
病院を探すことから始めなければならず、
ヒヤヒヤしました。

そこで今回は、病院で診察を受ける前後にできる
ちょっとした工夫をご紹介いたします。

体調が悪いと、症状のつらさに加え、不安や焦りで
普段通りの行動ができなくなることがあります。
いま、皆さんが元気なときに頭の片隅に留めていただき、
もしもの時にご活用いただければ幸いです。

病気知らずのあなたも、
いざという時通える病院を探しましょう

頼れる「かかりつけ医」がいればいいのですが、
健康診断以外で病院と縁のない方もいらっしゃることでしょう。

そんな方も、自宅近くにどんな病院があって、
いつなら診察してもらえるかだけでも、
一度確認してみてはいかがでしょうか。

何となくでも事前に知っておくことで、
次の行動をはじめるハードルが低くなります。

怪我や病気で体調がよくないなか、
一から病院を探すのはおっくうです。
病院に行って帰ってくるのも、普段以上に体力と時間を消耗します。

なお、発熱や風邪の症状のときは、
お住まいの地域の発熱相談センターに相談することになります。
電話番号を控えておけば、
怪しい症状があるときもすぐに相談できるでしょう。

不調があったらまずはメモ。
写真や動画の活用もアリ

体調が悪くても、それが病院に行くほどの異常かどうか
迷われる方も多いかと思います。
そんなときは、自分に起きていることを記録してみましょう。

たとえば体温など、数字を測れるものは測ります。
痛みや吐き気、気分の変調などは、その感覚や強さをメモしてみましょう。

目に見える症状の場合は、写真や動画のほうが
かえって分かりやすいかもしれません。
携帯電話やスマートフォンのカメラや録画機能の使いどころです。

「覚えているから大丈夫」と思っても、人の記憶は案外いい加減です。
ある程度記録がたまったら、読み返して、
病院に行くかどうか判断の助けにしてください。

病院へ行くことに決めたら、記録も持参するとよいでしょう。
症状を説明するときや、質問へ返事するとき楽になります。

はじめに伝えたいことを準備しましょう

実際に病院で診察を受ける時間は、かなり短いことがほとんどです。
よく話を聞いてもらうためには、
自分の身に起きていることを、できれば簡潔に伝えたいところです。
どうすればよいでしょうか。

実は、医師が診察でまず知ろうとすることは
ある程度決まっているようです。
次の要点6つを満たす形で、自分の状態を説明してみてください。

  • いつから症状が始まったか?
  • どんなときに症状が良く/悪くなるか?
  • どんな症状があるか?
  • 症状は体のどこで起きているか?
  • 他に気になる症状はあるか?
  • 症状が始まってから現在までの変化は?

これは医学生が診察を学ぶなかで、症状を聞くときの基本として覚えるものです。
それぞれの状態の英語の頭文字をとって、OPQRSTという名前で知られています。

たとえば私の場合は

「1週間前から空咳が出ます。
動き回ったり話したりすると出やすく、
寝ているときは治まります。
喉はガサガサして痛く、微熱もあります。
1週間経ってもよくならないので受診しました」

……といった説明になるでしょうか。

まずは簡潔に全体を説明できれば、医師の側も質問しやすくなることでしょう。
症状の記録があればそれも参考に、より詳しく話せるかと思います。
ぜひご活用ください。

まとめ

  • 体調が悪くても行けそうな病院を、元気なうちに把握しましょう。
  • 症状の経過を記録してみましょう。
    メモだけでなく、写真、動画も使えます。
  • いつから、どこにどんな症状があるのか、
    どんなときに症状の変化があるか説明しましょう。


最後に、一度診察を受けて終わりにせず、
自分の状態をよく観察するようにしましょう。


診察を受け、医師の指示通りに対応しても、
すぐに症状がよくなるかどうかは分かりません。

治らなければ二回目の診察で、
前回からどのように状況が変わったか(変わらなかったか)を
説明することになります。
その時も一回目と同じように、簡潔な説明を用意しておきましょう。

これから冬にかけて、普通の風邪やインフルエンザの流行に加え、
新型コロナウイルス感染症の第8波も予想されています。

活用する時が来ないのが一番ですが、
少しでもスムーズに医療を受けるためにお役に立ちましたら幸いです。


参考文献

  • 山本健人,『医者と病院をうまく使い倒す34の心得』,KADOKAWA,2020年

2022年10月

文責: 林

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