秋の夜長は「社会的時差ぼけ」にご注意を【こころの休憩室 vol.56】

こんにちは。
皆さんの心身の健康をサポートする
「えがおパートナーズ」です。

まだまだ残暑は続いていますが、
朝晩は涼しさを感じることも増えてきました。
過ごしやすいからと夜更かし・二度寝してしまう方は、
今日ご紹介する「社会的時差ぼけ」にお気を付けください。

今回の主な内容

  • 海外に行かなくても、睡眠リズムが乱れると
    「時差ぼけ」になってしまいます。
    • 生活に伴う時差ぼけは慢性的なものになり、
      心身に不調をもたらします。
  • 毎日同じ時間に起き、同じ時間に眠って、
    睡眠リズムを整えましょう。
    • うまく眠れなくても心配せずに、
      早寝や二度寝は避けてください。

そもそも「時差ぼけ」とは?

「時差ぼけ」は海外への出張や旅行で
よく話題になりますが、
経験がないとピンときませんね。

体内時計と周囲の環境の時刻がズレて、
眠気や疲労感、不安などを感じることを
時差ぼけといいます。

例えば、日本と8時間時差のある
イギリスへ行くとします。
日本を午前10時に出発したとき、イギリスは深夜2時です。
12時間飛行機に乗ってイギリスに到着すると、
現地は午後2時。夕方にもなっていません。
一方の体内時計は午後10時、そろそろ眠くなる頃です。

これが、体内時計と周囲の環境の時刻がズレた状態です。

イギリスが夜になるまで起きているのは、
体にとっては相当の夜更かしです。
かといって昼寝すれば夜中に目覚めてしまいます。

数日かけて体内時計がイギリスの時間と一致するまで、
時差ぼけの症状は続きます。

海外に行かなくても起こる
「社会的時差ぼけ」

時差ぼけは、体内時計が対応できないほど短い時間で、
時差のある長い距離を移動するからこそ起きる
と考えられてきました。

しかし最近、日常生活でも
時差ぼけのような不調が起こると分かってきました。
これを「社会的時差ぼけ」と呼びます。

社会的時差ぼけの原因は、
睡眠のリズムが一定ではないこと。

「明日は休日だから」と何時間も夜更かししたり、
勤務時間の都合があったりして
寝起きする時間が大きくズレると、
時差のある距離を移動したのと
同じ状態になるのです。

社会的時差ぼけの症状は、
睡眠リズムを整えない限り続きます。
例えば週末に夜更かしした場合、
平日の生活である程度リズムが戻っても、
翌週にまた夜更かしすれば
時差ぼけがぶり返してしまいます。

眠気や疲労感は思わぬ失敗につながります。
ミスがなくても何となく不調で、
元気に活動できなくなることもあるでしょう。

休日を楽しむための夜更かしや
体力を回復するための二度寝のつもりが、
実は不調の源になっているかもしれません。

「社会的時差ぼけ」を防ぐ
睡眠リズムの作り方

毎日同じ時間に寝床に入り、同じ時間に起きる。
週末でも夜更かしや二度寝をしない。

睡眠時間は年を取るほど短くなります。
20代の人に必要な睡眠時間は7時間、
60代は6時間ほどです。

まずは年齢にあわせた睡眠時間を確保して、
足りなければ増やし、充分なら減らしましょう。

起床時間から逆算して、
その7~8時間前に寝る準備を始めるとよいでしょう。

眠れなかったからといって二度寝したり、
埋め合わせに早寝したりする必要はありません。
それ自体が睡眠リズムを乱してしまいます。

仕事や家庭の都合で
どうしても決まった時間に眠れない方も
いらっしゃるかと思います。
その場合は目覚めたときに光を浴び、
眠る前は光を遮るようにしましょう。

寝る前の1時間は、
激しい光や音、運動などの刺激を避ける。

睡眠の質を高めるときの決まり文句ですが、
思うままに過ごせなくなるので、もったいないですね。
他にやりたいこと、しなければならないことがあれば、
なおさら時間のムダに感じるでしょう。

寝る前の1時間を穏やかなものにしつつ、
他のことも諦めないためのアイデアが
いくつかあります。
できそうなことがあれば、是非試してみてください。

  • やることの計画だけ練って、
    実際に行動するのは翌朝にする。
    • 楽しみなことを次の日に回せば、
      ワクワクしながら眠りにつけます。
    • 気の進まないことも
      後回しにして眠れると思えば、
      多少気分よく眠れます。
  • テレビやスマートフォンでしていることを、
    あえてアナログな手法でやってみる。
    • SNSの代わりに紙の日記帳に書く、
      テレビの代わりにラジオを聞くなど。
    • 道具にこだわるとより楽しく、
      新しい趣味ができるかもしれません。
  • 刺激の少ない活動に置き換えられそうな雑事を片付ける。
    • 軽い部屋の掃除はストレッチ代わりになります。
      目の前のできごとに集中するという点では、
      瞑想に通ずるものもあるかもしれません。

最後に、眠りに関して心配すると、
余計に眠れなくなります。

思いがけず睡眠リズムが崩れても、
たまの海外旅行程度の頻度なら
不安に思う必要はありません。
自分に最適なリズムを、ゆっくり取り戻してください。

2023年9月
文責: 林


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