心と体が整う4つの休み方【こころの休憩室】

カバー画像出典:写真AC
こんにちは。働く皆さまの心と体の健康をサポートする「えがおパートナーズ」です。
年末年始が近づいてきました。今回のテーマは「休むこと」についてです。
「休む」とは単に仕事をしないことではなく、
仕事で使った活力を回復することを意味します。
新年からの仕事をよい気分で迎えるためには、年末年始の「休み方」がとても大切です。
4種類の「休み方」
休み方(リカバリー経験)には、以下の4つの種類があります。
- 心理的距離
- リラックス
- 熟達
- コントロール
これら4つの休み方をバランスよく取り入れている人は、
心身の不調が少なく、仕事のパフォーマンスも高い傾向があるとされています。
では、それぞれの休み方とはどのようなもので、
どのように実践すればよいのでしょうか。ひとつずつ順番に見ていきましょう。
1. 心理的距離「心も体も仕事から離れる」
「仕事のことを一切考えない」状態です。
仕事のストレスや緊張から心身を開放する目的があります。
ですが、日本で「仕事との心理的距離が取れている」と感じている人は約66%。
3割以上の人が「離れきれていない」と感じているそうです。
特に役職のある方や中堅世代では、
休み中も心のどこかで仕事のことを考えてしまっているかもしれません。
仕事と関係ない活動に積極的に取り組めば、自然と心理的距離をとることができます。
- 心理的距離をとるための工夫
- 休みに入る前に仕事の棚卸しをする
「今年の仕事はこれで終わり」と線を引くことで、心理的距離を取りやすくします。 - 親戚や地元の友人など、仕事に関係ない人と交流する
帰省などで周囲の環境が変われば、自然と仕事を連想しづらくなります。
家族や知人の話にじっくり耳を傾けてみるのもよいでしょう。
- 休みに入る前に仕事の棚卸しをする
2. リラックス「ゆったりくつろぐ」
昼寝をしたり、お風呂に浸かったり、好きなドラマを見たり、散歩したり……
イメージしやすい「休み」ですね。
リラックスは心身の疲れを回復させ、次に備える土台になります。
年末年始は帰省・買い出し・行事などに追われ、
忙しさの種類が変わっただけで休めない方も多いかもしれません。
意図的にくつろぐ時間を作ることを心がけましょう。
- リラックスするための工夫
- 朝起きてすぐの10分だけ、スマホを見ずにぼーっとする
- 休憩時間を作る
予定と予定の間に「何もない時間」を作り、リラックスに充ててもよいでしょう。
トラブルに対処する時間としても使えるので、気持ちに余裕が生まれます。
3. 熟達「学ぶ・挑戦する」
「自己啓発なんて休みじゃない!」と思われるかもしれませんが、
興味があることなら話は別です。
集中する時間は満足感をもたらし、気持ちのリフレッシュにつながります。
仕事のパフォーマンスが上がり、結果的にストレスを減らせることもあるでしょう。
「勉強しなきゃ」と構えず、気持ちの面で前向きになれることに挑戦してみてください。
- 熟達するための工夫
- 気になっていたオンライン講座を10分だけ試してみる
- 来年やってみたいことを3つ書き出し、計画を立ててみる
4. コントロール「過ごし方を自分で決める」
「自分で過ごし方を決める」ことも、休みの質を高めるポイントです。
「自分で選んだ」という意識があると
満足感や回復効果が高まりやすいと言われています。
逆に「明日は忙しいから」とやりたいことを我慢したり、
「仕事で必要だから」と勉強したりしても、
それほど休まらないかもしれません。
年末年始は親戚づきあいや家族行事など、
自分だけでは調整できない予定が増えます。
その中に自分で決められる部分を残しておくと、満足感が大きく増します。
- コントロールのための工夫
- 「自分のための時間」を確保し、周囲に宣言しておく
「この日はゆっくり過ごします」とあらかじめ伝えると調整しやすくなります。 - 自分で決めた「小さなご褒美」を用意しておく
予定をコントロールできない場合は、乗り越えたときのご褒美を用意しましょう。
自分で選んだことがあるだけで、休み全体の満足度がぐっと高まります。
- 「自分のための時間」を確保し、周囲に宣言しておく
何かと予定が詰まりがちな年末年始ですが、
回復につながる休み方を意識することが大切です。
皆さんが前向きになれるような情報を発信していくため、
私も休みの間は熟達に励むつもりです。
2026年も、皆さんが笑顔で過ごせるよう願っております。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
2025年12月
文責:林
- 参考文献
- 厚生労働省, 「令和元年版 労働経済の分析」第3章4節, https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-1-2-3_04.pdf, 2025年12月10日閲覧

