ひとりで抱えないための相談の作法【こころの休憩室】

カバー画像出典:写真AC

こんにちは。働く皆さんの心身の健康をサポートする「えがおパートナーズ」です。

今回は、仕事の判断や上司・部下との関係、キャリアからプライベートな事情を含むものまで、
さまざまな「悩み」を「相談」する方法を取り上げます。

皆さんの
「ひとりで考えてもどうにもならないのに、相談できない」
「きちんと話を聞いてもらえない」
といったつらさを軽くできれば嬉しいです。

解決しないことでも相談してよい

最初にお伝えしたいのは「誰かに相談したい」と思ったら相談してもよい、ということです。

よくあるのが「解決できないことを相談しても意味がない」と考えてしまうこと。
「相談するからにはいい結論を出したい」と気負ってしまう気持ちは分かりますが、
相談の場で何かを決めたり答えを出したりする必要はありません。

自分の状況や感情を誰かに知ってもらえるだけでも気持ちは軽くなります
それこそが相談の一番大きな成果なのです。

それでも相手にモヤモヤが伝染しないか心配なら
「この場で解決しないかもしれないけれど、相談したい」と一言添えてみましょう。
それだけで相手も構え過ぎずに話を聞きやすくなります。

相談相手の探し方

さて、相談するには相手が必要です。どんな人に相談するのが最適なのでしょう?

期待し過ぎず、候補は幅広くもつ

相談相手を探すときは、候補を広めに考えてみましょう。
話を聞いてくれなさそう、口が軽そうなど、
明らかに向いていない人まで候補にする必要はありません。

しかし、価値観が違ったり少し距離があったりしても、
とりあえず話を聞いてくれそうなら、一考の余地はあります。

そうする理由は、残念ですが、完璧な味方はいないからです。
「絶対に分かってくれる人に相談したい」と思うほど相談相手は見つかりにくくなります。
自分の考えを言葉にし、別の視点に触れるだけでも相談の成果としては十分です。
ハードルをできるだけ下げておきましょう。

小さなことを頼んでみる

「ちょっと意見を聞かせてください」「これだけお願いします」など、
相談相手の候補に小さなお願いごとをしてみましょう。
相談を持ち掛けたとき、どんな風に応じてくれるかのヒントになります。

頼ることに慣れておらず、悩みを相談できない方にとって、
小さな頼みは予行練習にもなるでしょう。

同じ悩みを抱えている・いた人を探す

「同じ悩みのある(あった)人」が有力な相談相手になるのは、
単に解決策を知っているからではありません。
悩みを丸ごと知っていて、冷静に聞いてくれる可能性が高いからです。
ある映画を初めて見るときはドキドキしますが、二回目なら落ち着いて見られるのと同じです。

「自分はあの人みたいに解決できない」と感じる状況だとしても、諦めずに相談してみましょう。

相談の切り出し方

相談できそうな相手が見つかったとして、どんな風に切り出せばいいのでしょうか?

あらかじめ日時を決める

まずは「相談に乗ってほしいことがある」と伝えて、時間と場所を決めましょう。
「都合のいいときはありますか?」と相手に委ねる過程があると、
了承をもらったうえで話せるので、お互い安心です。

会話の流れで突然相談を始めてしまうと、相手は驚き戸惑ってしまうことがあります。
いつまで相談が続くのか、どんな風に聞けばいいか見当がつかないからです。

話さないと居ても立ってもいられないときも、
せめて「今すぐ聞いてほしいことがある」と一言添えるだけで、相手が心構えしやすくなります。

どんなふうに話を聞いてほしいか伝える

「どうしたらいいか、第三者として意見してほしい」
「気持ちが収まらないので、まずは話を聞いてほしい」

など、どんな風に相談に乗ってほしいかまで伝えることも有効です。

一見図々しく感じるかもしれませんが、これは相談を受ける側にとってむしろ助けになります。
どんな風に話を受け止めればいいか分かるからです。
お互い気分よく相談を終えるためにも、最初にすり合わせておくとよいでしょう。

おわりに――相談上手は相談され上手

うまく相談できる人は、うまく相談に乗れる人でもあります。
「重い話なら、場を改めて聞こうか」
「途中で質問してもいい? それとも、まずは聞いたほうがいい?」
――そんな一言を自然に差し出せるようになるからです。

他人を頼ることは弱さではなく、巡り巡って誰かを支える力になります。
一人で抱え込まず、周りを見て「誰になら相談できるだろう?」と一度考えてみてください。

2026年1月
文責:林


  • 参考文献
    • 藤田康男,『社員がメンタル不調になる前に』, 日本能率協会マネジメントセンター, 2024年
    • 中村英代,『嫌な気持ちになったら、どうする? ネガティブとの向き合い方』, 筑摩書房, 2023年
    • 井上祐紀,『学校では教えてくれない 自分を休ませる方法』, KADOKAWA, 2021年

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