ややこしい問題を解決する2つの道具【こころの休憩室 vol.41】
こんにちは。
働く皆さまの心と身体の健康をサポートする
「えがおパートナーズ」です。
先月のテーマは、「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」をはじめ、
いろいろな「野菜ことば」のご紹介でした。
コミュニケーションを取るときの
重要なポイントをご理解いただけたでしょうか。
しかし、仕事や生活のなかでは、
すぐに解決できない複雑な問題に
直面することもあります。
誰を頼ればいいか、どんなふうに相談をすればいいか、
次にどんな行動を取れるのかも分からず、
困ったご経験のある方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、そのような問題を解決するために
使える方法を2つご紹介いたします。
仮想の相手に相談をしてみる
問題を解決できない時、
すぐに誰かに相談して意見をもらうことも大切ですが、
いつでも相手が見つかるとは限りません。
どのように相談するかも整理できていないことも
多々あると思います。
そこで手軽な方法として、
例えば、ぬいぐるみや壁を相手にして
相談してみてはいかがでしょうか。
彼/彼女は、まとまりのない下手な話を
何度聞かされても文句を言いませんので、
話し相手として最適です。
声に出して話をする効果は、
単に練習というだけではありません。
誰かに相談している途中で、
自分自身で解決策に気づいてしまったご経験はありませんか?
よりよく状況を説明できると、
自分自身の理解も自然と深まります。
それをきっかけに、これまで気付けなかったことにも気付き、
問題の解決に繋がることもあるのです。
こうした手法は“ラバーダッキング法”と
呼ばれることもあります。
プログラマーが、プログラムの不具合(バグ)解決のために、
お風呂に浮かべるアヒルのおもちゃ(ラバーダック)に
説明を聞いてもらったという話に由来するそうです。
手始めにまずは一度、
何かに向かって話してみるのはいかがでしょうか。
フィッシュボーン(魚の骨)図で
問題を細分化
言葉に詰まってしまうときや、
声に出すのが難しい環境の方には、
書いてみることをおすすめします。
思うまま書けそうなら、
それも十分に役に立つでしょう。
何かしらの型にはめた方が書きやすいなら、
できるだけ細かく問題を分解し、
整理してみるのも一つの方法です。
「フィッシュボーン(魚の骨)図」は、
問題の原因を特定するために使われる図で、
製造業の品質管理でよく使われます。
その手順は、日常でも物ごとを細分化するときに
とても役立ちます。
次のような手順で図を作ります。
- 問題・テーマを紙の端に書きます。
- 1.から、紙の逆側の端まで線を引きます。
- 線から生やした枝に、1.の原因か経緯をいくつか書き出します。
- 書き出した要素から更に枝を生やし、
原因の原因を書き出します。 - 思いつく限り書き終えたら、重複を除き、
重要な要素に印をつけます。
最初に書いた問題について細分化できたら、この図をもとに、
具体的にどんな行動ができるかを考えてみましょう。
「寝不足」の例で言えば、
まずは大家さんに相談するのが近道かもしれません。
コーヒーの飲みすぎがよくないと思うなら、
「午後はコーヒーを飲まない!」と
周囲に宣言してもよいでしょう。
スマートフォンを手の届かないところに置いて
寝るようにしてもよさそうです。
図を作ってもまだ複雑だと感じるときは、
重要そうなキーワードをもとに、
もう一度フィッシュボーン図を作ってみましょう。
手間はかかりますが、問題がある程度細かくなれば、
次にとるべき行動はシンプルになっていきます。
まとめ
- ぬいぐるみや壁に話してみると、自分の理解度も深まり、解決につながることがあります。
- 「フィッシュボーン図」で問題を細かくし、次に何ができそうか考えてみましょう。
ややこしい問題や状況を整理し、
解決へと繋げるための方法を2つご紹介しました。
じめじめとした時期ですが、
皆様の頭の中をすっきり、気持ちを晴ればれさせるのに
役立ちましたら幸いです。
参考文献
- 読書猿, 問題解決大全, フォレスト出版, 2017年.