幸せの処方箋【こころの休憩室】

カバー画像出典:Pixabay
こんにちは。皆様の心身の健康をサポートする「えがおパートナーズ」です。
新年度が始まり、少しずつ日常のリズムが整ってきた頃でしょうか。
季節の変わり目は、体調だけでなく気持ちの面でも揺らぎやすい時期です。
そんな今月は、「ウェルビーイング(Well-being)」について一緒に考えてみたいと思います。
ウェルビーイングとは?
そのため、ウェルビーイングな社会を目指すには、
一人ひとりが今の自分にとってウェルビーイングとはどういうことか、
自分がウェルビーイングでいられるためにはどのようにすればいいのかを考えていくことが重要となります。
ウェルビーイング(well-being)とは、「よい(well)」と「状態(being)」を組み合わせた言葉で、
身体の健康にとどまらず、精神的・社会的にも良好な状態を指します。
つまり、健康であり、心が満たされた幸福な人生を表す概念です。
一般に、幸福度が高くウェルビーイングな状態にあることは、「より良い人生」を意味すると考えられています。
実際に、幸福度の高い人は創造性が3倍、生産性が約30%高いという研究結果もあります。
ウェルビーイングは、個人の生活の質を向上させるだけでなく、周囲や社会全体にも良い影響をもたらします。
ただし、ウェルビーイングの感じ方は非常に個人的なものであり、
同じ環境や状況にあっても、それをウェルビーイングと感じるかどうかは人それぞれ異なります。
「ウェルビーイングとは何か」という問いには、人の数だけ異なる答えがあるのです。
したがって、ウェルビーイングな社会を実現するためには、
一人ひとりが「自分にとってのウェルビーイングとは何か」
「どのような状態であれば自分はウェルビーイングを感じられるのか」を考えていくことが重要です。
ウェルビーイングに重要な5つの要素
ウェルビーイングを高めるための5つの要素を表す「PERMA理論」というものがあります。
これは、アメリカの心理学者であるセリグマン博士が提唱したものです。
5つの要素とは、
「Positive emotion(ポジティブな感情)」
「Engagement(エンゲージメント)」
「Relationship(人間関係)」
「Meaning(人生の意義)」
「Accomplishment(達成感)」のことで、
これを満たしている人が幸せだというものです。
ポジティブな感情
うれしい、面白い、楽しい、感動、感謝、希望などのポジティブな感情を持つことです。
ポジティブな感情はネガティブな感情を打ち消します。
ポジティブな感情を持って生活することを心がけることで、
思考や行動を前向きなものにすることができます。
エンゲージメント
時間を忘れて目の前のことに没入、没頭している状態のことです。
好きなこと、得意なことに向き合っているときや、
自分の能力をフルに活用しているときに、この状態になることが多いです。
没頭や没入をすると、効率性・生産性が向上するなどの効果があるだけでなく、
ストレスの低減につながります。
人間関係
社会における人間関係や、他者からのサポートや評価を受けることを指します。
特に高齢者では、社会的なつながりが認知機能の低下を防ぎ、健康の向上に役立つことが分かっています。
自分と他人を比較しないこと、他者に貢献することが幸福につながるとされています。
他者との関係を良好にするためには、ポジティブ感情を共有することが効果的とされています。
人生の意義
人生の意味や目標を持つことです。
人生において重要なこと・優先すべきことを明確にすることが幸福度の向上につながります。
困難なことに直面した際、意思決定をする指針になります。
人生の目標がある人は、人生の満足度が高く、健康問題が少ないことがわかっています。
達成感
目標に向かって努力する、達成した結果を得る、やり遂げることで達成感を得ることができます。
達成感からはポジティブな感情が生み出されるだけでなく、自信を得ることにもつながります。
では、どのようにすれば「PERMA」の5つの要素が高められ、
ウェルビーイングでいることができるでしょうか。
ウェルビーイングであるかが個人の感覚によって異なるように、
何をすればウェルビーイングでいられるかも人それぞれ異なります。
いくつか例を挙げるので、これを参考に自分に合う方法を探してみてください。
- 瞑想する、音楽を聴くなどして落ち着いてリラックスする時間を作る
- 楽しかったこと、うれしかったことを振り返る
- 得意なことや趣味、創造的な活動を積極的に行う
- 興味のある活動をしているサークルやボランティアグループに参加する
- ささいなことでも感謝の言葉を伝えるように心がける
- 資格の取得を目指し、集中して勉強をする時間を設ける
ウェルビーイングでいるために
ウェルビーイング、健康で満ち足りた幸せな人生であるかどうかは
個人の感覚によって異なるものです。
今の自分にとってウェルビーイングがどういうものか、
自分がウェルビーイングでいられるためにはどのようにすればいいのかを考え、
自分らしい幸せを築いていきましょう。
2025年5月
文責:飯島
- 参考文献
- ベネッセ ウェルビーイングLab,https://www.benesse.co.jp/well-being/index.html,ベネッセ,2025年4月23日閲覧
- PERMA理論とは? ウェルビーイング研究における幸せの5つの要素,http://positivepsych.jp/cn7/PERMA.html,ポジティブサイコロジースクール,2025年4月23日閲覧