健康・医療情報を「入手」したときの心構え【こころの休憩室 vol.35】
こんにちは。
働く皆さまの心と身体の健康をサポートする「えがおパートナーズ」です。
「コロナ禍から始めるヘルスリテラシー」と題して、
健康や医療に関する情報を使いこなす方法について第2弾をお伝えします。
前回は、ヘルスリテラシーの概念をご説明しました。
健康や医療に関する情報を、入手し、理解し、評価し、活用する力。
それがヘルスリテラシーでした。
今回からは、ヘルスリテラシーを構成する要素をひとつずつ取り上げていきます。
ひとつめは「情報の入手」です。
あなたに関心があるかどうかにかかわらず、
健康や病気について見聞きする機会は多いはずです。
病院に行くのはもちろん、
テレビやラジオの番組や広告、本やSNS、家族やお友達のお話などなど……。
情報を入手したら、まず何をしたらいいのでしょうか?
新情報を手に入れたら
「いつ・どこで・だれが」を考えることが重要!
健康や医療の研究は日夜進歩しています。
ここ数年の新型コロナウイルス感染症の広がりで、
情報の更新されるスピードの速さを体感されたかと思います。
専門家でもない私たちが、生活と並行しながら、
情報の更新についていくのは簡単ではありません。
したがって、新しい情報を入手したとしても、
真偽や良し悪しの判断を保留することが大事です。
あとあと、より詳しい情報や、
もとの情報を覆す新たな情報が出てくるかもしれません。
自分でいちから調べなくても、待っていれば、
信頼できる専門家が「判断」してくれる可能性もあります。
2006年に、テレビ番組で紹介されたダイエット方法を実践した人たちが、
食中毒に陥りました(白いんげん豆食中毒事件)。
放送された食材の調理法が適切ではなかったのです。
症状は数時間でおさまるものでしたが、入院する人も出る事態となりました。
ダイエット方法の情報を「入手」してすぐに「活用」したことで、
かえって健康を損なってしまったのです。
もしも、どうしても気になるときは、
以下の3点について覚えておきましょう。
- いつ
古い情報はすでに役に立たないかもしれません。
新しい情報は不確かかもしれません。 - だれが
情報の発信者は現役の専門家や団体ですか?
名前も知らない誰かでしょうか? - どこで
情報は論文として発表されたのでしょうか。
それとも、ただの噂話でしょうか?
「いつ・どこで・だれが」発信したのかはっきりしていれば、後から詳しく調べやすくなります。
情報を検索するときのおまじない「site:」
とはいえ、情報を受け取るだけではなくて、自分で探したいこともありますね。
そんなときはまず、行政機関や教育機関のWebサイトを探してみましょう。
行政機関や教育機関であっても、
間違いが絶対にないとはいえませんが、
調べ物の第一歩として妥当な情報を入手できます。
例えば、あなたがダイエットについて知りたかったとします。
このように検索してみてください。
「ダイエット site:go.jp」
検索したいキーワードのあとに、
スペースを開けて「site:go.jp」と書かれています。
これは「日本の行政機関のWebサイトで、ダイエットについて書かれているページを探してください」
と、検索エンジンに指示するためのおまじないです。
「site:go.jp」は、「site:」と「go.jp」の二つの要素からなります。
「site:」は、特定の種類のWebサイトだけを検索させる命令です。
「go.jp」は、日本の行政機関が運営するWebサイトをあらわします。
日本の教育機関が運営するWebサイトを絞り込みたいときは、
「go.jp」の部分を「ac.jp」に書き換えればよいというわけです。
この検索の方法は、健康や医療に関する情報以外を探すときも役に立ちます。
ぜひ覚えて使ってみてください。
まとめ
健康や医療についての情報を「入手」したときの心構えと、
自分で情報を「入手」したいときの調べ方についてご紹介しました。
- 新情報は「いつ・どこで・だれが」をとらえ、
しばらく保留しておきましょう - インターネットで調べるときは、
キーワードのあとに「site:go.jp」「site:ac.jp」
次回は、入手した情報の「理解」です。
情報は、見せ方によって、読み手に実際と異なる印象を持たせることができます。
見た目の印象に惑わされないように、
情報の演出が読み手に与える効果をあらかじめ知っておきましょう。