生成AIを使った仕事の整理術【こころの休憩室】
こんにちは。皆様の心身の健康をサポートする「えがおパートナーズ」です。
今回は仕事量の多さによるストレスを減らす一つの方法として、
生成AIの活用について考えてみます。
仕事に関するストレスの原因として多いのが仕事量の多さです。
「他人に頼りたいほど忙しいのに、
忙しすぎて他人に頼る暇すらない!」
というご経験をされた方は多いことでしょう。
せめて簡単な仕事だけでも適当に指示したらすぐにやってくれる、
そんな秘書か部下が欲しくなりますね。
ここ最近話題の生成AI――ChatGPTやCopilot、Geminiなどは、
まさにそんな役割を果たしてくれるのではないかと期待されています。
メールの下書きから企画のアイデア出し、
外国語の翻訳、データ分析、スケジュール管理まで、
生成AIを活用したサービスが急成長しています。
世界のビジネスリーダーの79%、日本国内だけでも67%が、
自社でのAI導入は不可欠だと考えているそうです。
生成AI活用の前に立ちはだかる壁
期待の一方で、いま日本で実際にAIを利用している人は32%に過ぎません。
これは北アメリカ・ヨーロッパ・東アジアの半分ほどです。
AIの導入が必要だと考えられているにもかかわらず、
現場での活用が進んでいないのはなぜなのでしょうか。
理由として思い浮かぶのは、守秘義務、技術、ハルシネーションの3つです。
最大の理由は守秘義務でしょう。
生成AIとの会話や生成したデータが流出しては大問題です。
セキュリティに絶対はありませんから、
慎重になるのも致し方ないかもしれません。
技術の面では、生成AIとの会話はできても、
それ以上の何かを実現するにはまだ専門的なスキルが必要という現実があります。
ハルシネーションとは、生成AIが事実と異なる答えを返す現象のことです。
生成AIの言葉を鵜吞みにしない姿勢が求められますが、
全く信用しないとなると生成AIを導入する意味がありません。
生成AIは多くの可能性をもち、ビジネスリーダーも業務への導入を見越しています。
反面、生成AIの活用は発展途上であり、仕事を直接任せられる状況ではなさそうです。
猫の手でも生成AIでも借りたいと思いながら、
大量の仕事を前に、ストレスをため続けるしかないのでしょうか?
生成AIに業務の棚卸しを手伝ってもらう
そこで今回、守秘義務を守りつつ、難しい技術も不要で、
ハルシネーションが問題にならないような生成AIの使い方を考えてみました。
それは、仕事上の「やることリスト」作成を手伝ってもらうというものです。
生成AIには次のような指示を出します。
生成AIに与える指示
仕事でしなければならないことのリストを作りたいので、お手伝いをお願いします。
あなたは私に、仕事でやるべきことを思い出させるような質問をひとつ考えて投げかけてください。
質問の例は以下の通りです。
- 進んでいるプロジェクトにはどんなものがありますか?
- 上司に依頼されていることはありますか? 依頼したいことは何ですか?
- 机の上には何がありますか?
私は、質問に対して思い浮かんだタスクをメモします。
メモしたらあなたに「終わりました」とか「ありません」とお返事しますので、次の質問をまたひとつ投げかけてください。
以上の手順を繰り返します。何も思い浮かばなくなったら、私はあなたに「質問を止めてください」と伝えます。
ときどき応援してくれるとやる気が出ます。
ちょっと励ます頻度が多いですが、うまくいけば生成AIと次のようなやり取りができます。
了解しました! それでは、最初の質問を投げかけますね。
次の会議や打ち合わせの準備はできていますか?
思い浮かんだタスクをメモしたら「終わりました」とお返事ください。
書きました。次をお願いします。
いいですね!次の質問です。提出期限が近い書類やレポートはありますか?
タスクをメモしたら、「終わりました」とお返事ください。
順調に進んでいますね、頑張ってください!
生成AIの種類やバージョン、その時々で返事は異なります。
もし何か期待と違う返事があったら、軌道修正の指示を出しましょう。
この指示は、会社や個人の守秘義務や個人情報保護の観点から、
生成AIからの質問を募るにとどめ
メモするだけで情報は発信しません。
生成AIの基本的なチャット機能だけで使えて、
質問が的を射ていなくても問題になりません。
むしろ、思いもよらない問いかけがきっかけで、
忘れていたことを思い出せるかもしれません。
生成AI活用の初歩としてぴったりではないでしょうか?
仕事に追われていると全体像が見えなくなって混乱しがちです。
生成AIの力を借りてやるべきことを洗い出しましょう。
仕事自体がなくならなくても、向き合い方を変えればストレスは軽くなります。
結果的に仕事の進みも早くなることでしょう。
2024年6月
文責: 林
- 参考サイト
- Microsoft, 日本でも進む “Bring Your Own AI”ー AI 利用者の約 8 割が自前の AI を職場で利用。企業データを安全に利活用できる環境整備が急務にー, https://news.microsoft.com/ja-jp/2024/06/06/240606-bring-your-own-ai-is-progressing-in-japan/, 2024年6月14日閲覧