自分でできる心と体のメンテナンス・考え方編【こころの休憩室 vol.14】
みなさん、こんにちは。働く皆さまの心の健康をサポートするえがおパートナーズです。
コロナウイルスの猛威があり、落ち着かない不安な日々が続きますが、皆さま元気にお過ごしでしょうか。
私どもへのご相談でも、コロナウイルス対策で働き方を制限されたり、自由を制限されたりして、ストレスが溜まる環境の下、メンタルヘルス関連のご相談が増えてきています。こんな時は特に、常日頃から心身の健康を良好に保ち、ストレスの刺激に負けない心身の健康を高めることが大切ですね。
心身の健康を高めるために、前回の「睡眠編」に続いて、今回は、考え方を変えて、無用なストレスを減らすことをテーマに、皆さまと一緒に学んでまいりたいと思います。
私たちは、同じ状況におかれても、それをどう受け止めるかは、人それぞれの考え方にゆだねられます。
誰もが異なるものの見方や考え方(認知と呼びます)を持っています。
考え方には、人それぞれの、考え方の「くせ」(認知のゆがみと呼びます)があり、これによって、同じように降りかかってきたストレスを過剰に受けとめていることがあります。
ストレスを受けた時の感情は、考え方に左右されるので、考え方を変えてみることは、不快な気分を軽減しストレスの低減に役立ちます。
例えば、仕事でお客様からのクレームが発生しました。お客様は担当者であるあなたに、ずいぶん、立腹されています。
あなたは、「こんなにお客様を怒らせてしまうなんて、自分はやっぱり営業に向いてない。
会社にも迷惑をかけてしまった。自分が失敗しなければこんなことにはならなかった。
なんて自分はダメなのだろう。会社を辞めて責任を取るしかない。」と落ちこみました。
精神的にも大きなダメージを抱えてしまいます。
ですが、考え方はそれだけでしょうか。こんな風にも考えられます。
「今度のクレームでは、お客様にも、会社にも、大変な迷惑をかけてしまった。自分でも責任をとって仕事を辞めたいくらいだ。
だが、その中でも、お客様と会社に誠心誠意お詫びをして、今後、二度と同じ間違いを繰り返さないと誓った。
今回の失敗をばねにして、もう少しやらせてもろおう。」
上記の二つの例を比べて、どのような感想をもたれましたか。
ふたつの例では、クレームによりお客様と会社に迷惑をかけた事実は変えられません。
ですが、事実と結果の間の「考え方」によって、「結果」が変わっていくということをご理解いただけたと思います。
それでは、ストレスを過剰に感じやすい考え方の「くせ」の特徴をみてみましょう。
1.オール・オア・ナッシング
物事に対して、全か無か、白か黒かなど、極端なものの見方をします。
例)「あの人は、今まで親切にしてくれたのに、最近、冷たい気がする。あの人は、最低だ。」、
「上司に提出した資料に、間違いが見つかった。完全な失敗だ。」
2.過度な一般化
たった一度の出来事から、それが、今後も何度も起こると考えてしまいます。
例)「交際を申し込んだが、断られてしまった。自分には、もう、付きあってくれる人など、出来っこない。」
3.過大評価・過小評価
自分の考え(多くはネガティブな考え)に合っていることは過大に捉えて、考えに合わないことは、過少に評価します。
例)「以前、商品のプレゼンテーションをした時に、準備した半分も上手く話せなかった。きっと、今度も出来ない。」
など、上手く行ったときの事は考えに入れない思考をします。
4.根拠のない推論
少ない根拠で、独断的に物事を推論・判断し、思い込んでしまいます
例)職場で挨拶をしたが、返事がなかった。「自分は嫌われているに違いない。」と思う。
5.自分への関連づけ
何か悪いことが起こると、「自分のせいで起こった。」、「自分にも起こるに違いない。」と思います。
例)「部下が思ったように育たないのな、全て自分のせいだ。」
このような考え方に囚われると、結果として、「もう駄目だ」、「どうしようもない」、「うまくいきっこない」などの負の感情が起こり、その結果、自分を苦しめてストレスを過剰にします。
ストレスを過剰に受けないように、事実と結果の間にある、「認知」を変えるというのは、自分を甘やかすことでも、自分のいいように考えるということでもありません。
物の見方や切り口はたくさんあるので、事実は事実として捉えながらも、答えを一つに限定せず、物事を様々な角度から肯定的に捉えてみてはいかがでしょうか。